国際保険振興会は、教育・指導・助成等を通じて、世の中に正しい保険思想の啓発・普及を図ることを目指しています。同時に世界で保険事業の健全な発展にひろく寄与することを目的としています。
理事長ご挨拶
財団の事業は、第一生命が創立60周年に当たる1962年に、(財)矢野恒太記念会を通じてアジアの生命保険業界
向けに研修事業を開始したことに始まります。その後、1970年に(財)アジア生命保険振興会(FALIA)として
設立された当財団は、この研修事業の精神と実務を矢野恒太記念会から引き継ぎました。
1994年には、生損保兼営会社からの要望や、アジア以外の地域からの参加等も考慮し、
(財)国際保険振興会(FALIAの略称は維持)と正式名称を変更しました。当初は研修参加者に日本の保険の理念と
実務を学び習得して頂く機会の提供として研修を開催していましたが、最近では、生命保険をとりまく幅広い分野で
アジア諸国以外の世界との交流も広めてまいりました。
FALIAは50年にわたり研修事業を続ける中、アジアを中心とした各国の情報交換、人のつながりを促す
共通のプラットフォームとして機能してきました。今後も皆さまの知見を共有しながら、各国で生命保険及び
付帯するサービスが付加価値を生み、かつ社会課題解決にも寄与できるよう支援していきたいと思います。
社会問題の解決を目的として収益事業に取り組む企業を社会的企業と呼びますが、保険会社も社会の理想と
現実のギャップを考え理想(社会的インパクト)を示して社会的企業となることが社会から求められています。
FALIAは皆様と共に、環境変化に対応した生命保険の在り方についてのBig pictureを共有しながら、その目指す
べき北極星を共に探し、社会課題を解決していく要としての役割を担っていきたいと考えています。
ミッション
ビジョン
人々のつながりを促すプラットフォームとなる
国際保険振興会は、世界の保険監督者、保険会社、そして学生の間に、集合研修セミナーや懸賞論文を通じて国境を越えて協力できる人的ネットワークを作り出します。
主な事業内容
アジアを中心とする各国の保険会社、保険監督庁、業界団体等から研修生を日本に招へいし、
保険会社や保険関係機関等の協力を得て保険研修会を開催します。研修会に招へいしている人数は
年度により異なりますが、近年は概ね100名前後で推移しております。この結果、事業開始以来の
累計受入れ人数は2022年3月現在で32ヵ国/地域4135名に達しました。
例年、主に添付リストにある研修コースの中から3〜5コースを開催しております。
このほか、海外の保険監督官庁や保険会社等の要望に応じて、研修会を適時開催することがあります。
研修コース概要(PDF資料へ)
当財団では、国内で開催する研修会以外に、アジア各国で、主に生命保険会社の中堅幹部職員を
対象とした海外セミナー(通常、1〜2日間)を毎年数回開催し好評を得ております。国内研修会では
招へい人員に限りがありますが、直接日本から出向いて現地でセミナーを行えば、短期間ながら一度に
多数の関係者を対象に研修することができます。
このセミナーは、多くの場合その国の生命保険協会等と連携し、テーマもその都度相手国のニーズに
合ったものを双方で検討して決定いたします。講師は保険会社や保険関係機関等から派遣願い、
専門的かつ実践的な研修を行っております。
なお、これまでの累計開催回数は15ヵ国/地域163回に及びます(2021年12月現在)。
FALIAでは、2014年より日本の大学に通う海外留学生を対象に懸賞論文を実施しています。その目的は、コロナ禍でますます社会での役割が増してきた生命保険に対し海外留学生に興味をもっていただき、懸賞論文への応募を通じた知的チャレンジを後押しすることです。
1969年より、日本の保険業界の動きを情報誌「FALIA INSURANCE NEWS」として発行し、関係各国の保険会社や保険監督庁等に提供しておりました。1998年からはホームページを通して情報を提供する方法に切り替え、2014年にメールマガジンの発信を開始しました。最近では、世界における保険に関するリテラシー向上のためにレポートを作成し、ウェブサイト上でご提供しています。この活動により、保険に係る健全な思想を普及すると同時に、双方向または全方向でのコミュニケーションを通した情報共有を実現していきます。
歴史
1962年、第一生命保険相互会社(2010年に第一生命保険株式会社に移行)は、矢野恒太記念会に5千万円を寄付し、アジア地域の生命保険業発展のための事業を開始しました。当時、日本の生命保険業界はすでに世界第2位の生命保険契約高を誇るまでに成長していましたが、これは欧米先進国の保険業界からの技術的支援があったからです。翻って第一生命の歴史を顧みると、創業者の矢野恒太はドイツのゴータ生命保険相互会社に留学し相互扶助の原理を学び、帰国後、1902年に日本初の相互会社として第一生命を設立しました。
こうした歴史的背景のもとで1962年に創立60周年を迎えるにあたり、第一生命は生命保険業が発展途上にあるアジアに目を向けました。そして欧米から吸収した知識をアジアに還元し、正しい保険思想の啓発普及を図り、当該地域における経済発展や社会保障制度の充実にいささかなりとも力を添えることが先進国としての日本の責務と考えました。そして保険事業発展の理念をアジアの生命保険当局や生命保険会社と研修事業を通じて共有し、保険事業の発展に寄与することを決意しました。
その後、1970年3月、この使命をさらに推進するため、第一生命はFALIA(The Foundation for the Advancement of Life Insurance in Asia)と称する公益法人を設立しました。1994年4月には、活動範囲を拡大するため、正式名称を「The Foundation for the Advancement of Life & Insurance Around the world」と改めました。また、2012年には、公益財団法人の認定を受けております。